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キトコト師匠より: 座敷童子のお話し (前編)

\ 前編:座敷童子 /

出て来たぞ座敷童子がでてきたぞ
師匠は週に一回ここの和室に泊まるんだ
その枕元に赤いベベ着た五歳くらいの女の子
ちょっこんと座って師匠の顔を上から見てた

頭に髪の毛を一カ所結わえてちょんまげみたいかわいかったなぁ
その座敷童子が言うんだよ「お前いつからいるんだ」って
しゃべった!しゃべったぞ!

寝たまんま「おれは一年半まえからいるよ」
「わしは二百年まえから住んどるがのお前挨拶に来んの待っとったのに。だから台所のそうめんわしが食ったハクビシンが台所を荒らしたと思っとるようじゃが

ありぁわしだ引っ越しソバぐらい持ってくるもんじゃ」
そこまで聞いて師匠はなんか変だぞ丸っちい顔した可愛い女の子にしては声はガラガラでしなびたばあさんの声だ

「なぁバァさんあれはいかんぞビックリするだろうが」
「ちょっと待てわしはバァさんじゃねぇ五歳の女の子じゃヒッヒッヒ

あの日はなぁ餌も取れんでなんも食っとらんかったすまんとは思ったがの
わりぃのはおめぇだ階段のとこ蓋したじゃろが
ハクビシンのまんまじゃおりられねぇけんど座敷童子なら通れるもんなんじゃ」

「それじゃ聞くけどよババァ童子」
「ババァじゃねぇよ女の子だっ」
「他にも食ったろが」